新世代ポリマー「トライタン」について

2022年7月20日

最近、Eastman社の「Tritan」というポリマーでできた食器を購入しました。外食大手のサイゼリヤでも2018年から採用されている新世代のポリマーということで、確かに透明度が高く外観の良いポリマーでした。

ただ、この「トライタン(tritan)」ですが日本語のページではコポリエステルとしか書いていません。実際にどこが新世代なのか良く分からなくて論文を調べてみたので、備忘録として残しておきます。

ポリカーボネートに代わる次世代のポリマー

PETボトルにも使われているポリエステルは耐熱性が低いので、熱湯はダメですよね。そういったことから、これまでは熱湯を使う用途の透明性が高いポリマーとしてはポリカーボネートが使われていました。しかしながら、ポリカーボネートはBPAが極少量含有してしまう可能性が否定できないためヨーロッパでは食品用として好まれないポリマーです。

そこで、BPAが含有する可能性が全くないポリエステルの原料を変更することで、耐熱性の高さとBPAフリーを両立することができないかと開発されたのが 「トライタン(tritan)」 です。

CBDOモノマーが耐熱性に貢献

シクロブタンジオールという四員環構造のモノマー(略称:CBDOモノマー)を使用したポリエステル共重合体にすることで比較的耐熱性の高い高分子が得られます。それを食品用に使えるように試験で確認したのが「Tritan」というコポリエステルのようです。

参考資料

Terephthalic Acid Copolyesters Containing Tetramethylcyclobutanediol for High‐Performance Plastics

※当サイトはポリカーボネートの安全性を否定する意図はありません。