ローウェンスタインサンドラー法律事務所の日本からのアクセス制限について

2022年5月18日

ローウェンススタインサンドラー法律事務所の検索数

アメリカで400億円規模の年間売上高のある「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」の公式サイトが10/29から11月末まで日本からのアクセスを制限している状態が続いていました。このことについて解説します。

※12月現在アクセス制限は解除されていますが、このページは1か月にもわたるアクセス制限に至った経緯を検索数やトラフィック数を元に推察しています。

検索数が全米トップの法律事務所の7倍以上

「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」 の10倍以上の売上高がある全米でトップの「カークランド&エリス法律事務所」と比較すると「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」の 全世界での検索数が7倍になっています。このことから 「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」 へのアクセス数が急増していることが推定されます。

「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」の検索数は9/24から急激に増加し、9/25の検索数は9/23の検索数の100倍以上に増加しています。このことから一時的に通常の100倍以上にアクセス数が増加していると考えられます。もちろん日による変動はありますが、アクセス数が急増して、サイトの転送量が急増していることは間違いありません。

なぜ9/24に検索数が急増したかというと9/23前後に当時皇族だった女性の婚約者の名前が従業員として 「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」 のサイトに掲載されたためです。

アクセス数が急増したため日本からのアクセス制限

その後、数日で検索数は減り元の状態に戻りましたが、10/21に再び急増し、10/29の3回目の急増で日本からのアクセス制限が発動されました。

日本からのアクセスのみ制限したのはなぜ?

9/23~10/31までの検索数を比較すると日本からの検索がアメリカの10倍以上となっています。そのため、日本からのアクセスのみを遮断すれば、アクセス数増加の影響をかなり軽減できると考えたと推定されます。

検索数
(相対値)
日本100
シンガポール19
アメリカ9
「lowenstein sandler」の国別検索数

similarwebでの分析結果

ウェブサイトのトラフィック分析の「similarweb」でも国別トラフィックが公開されていますが、2021年10月の「lowenstein.com」へのトラフィック割合は以下のように発表されており、日本のトラフィックがアメリカの3倍となっています。

国名トラフィック割合
日本72%
アメリカ22%
2021年10月におけるlowenstein.com への国別トラフィック(similarwebより引用)

アクセス制限は転送量よりもメールサーバーや電話応対オペレーションへの負荷軽減の可能性も

「ローウェンスタインサンドラー法律事務所」 はCloudFlareと契約しているようなので、サイトの転送量に対するコストは定額となっているはずです。また、similarwebによると2021年10月の月間訪問数は50万程度なので、 CloudFlare で十分対応できるレベルです。したがってアクセス制限はすぐに解除されると予測していましたが、11/14現在でも解除されず約1か月間アクセス制限が続きました。これまでの傾向からアクセス数は2,3日で通常レベルに戻ると考えられるので、このアクセス制限はちょっと長すぎます。

したがって、サイト転送量の増加を懸念してというよりも、サイトに掲載されているメールアドレスや電話番号に問い合わせが増え、収入に結びつかない業務が増えるのを懸念して日本からのアクセス制限をかけている可能性があります。

CloudFlareには国別のIPアドレスアクセスルールを簡単に設定できる機能があるので、それを使用していると当サイトは推定しています。

業務上どうしてもアクセスしたい方

業務上どうしてもローウェンスタインサンドラー法律事務所の公式サイトにアクセスする必要がある方はipアドレスを隠してアクセスできるVPNサービスを使用するといいでしょう。例えば「NordVPN」は1,256円/月でサービスを受けられるため、業務上で使用する場合はそこまで負担にならないでしょう。

VPNを使ってアメリカのIPアドレスからアクセスした結果

アメリカのIPアドレスからであればちゃんとアクセスできることを確認しました。

operaの無料VPNでもアクセスできる

速度はとても遅いですがoperaの無料VPNでもアクセスはできます。

参考資料

similarwebの分析結果