日銀が気にしている実質金利って結局長期金利なのか短期金利なのかよくわからないっていう話
日銀が最近持ち出してきた実質金利ですが、とても不思議に思っていることがありまして目標値として何年債をターゲットにしているのかよくわからないという問題があります。
総裁の講演資料は1年債と10年債の実質金利を載せている
1年債と10年債の実質金利を総裁の資料では載せています。一般的にドル円相場に相関しているのは10年債の実質金利の日米金利差と言われているので、円安を気にするのであれば10年債をターゲットにすればいいと思いますが、日銀が言う「大幅なマイナス」という表現は1年債の方を気にしていると考えられるからです。
1年債の実質金利をプラスに持っていくつもりならかなりの利上げが必要になる
実質金利といっても正確にわかるわけではないのであくまで日銀の推定値ですが、1年債の実質金利が24年末時点で約-1.5%となっております。2025年1月末に政策金利が0.25引き上がったのに伴い2025年2月末の1年債は2024年末に比べて0.2%ほど金利が上がっておりますので-1.3%くらいかなと予想できます。となると政策金利と1年債にそこまでの利回り差ができるとは考えにくいので、あと1.3%くらいは政策金利をあげないと1年債の実質金利がプラスになるのは難しいと現時点で考えられます。今の時点で政策金利は0.5%が目標値なのでそれを1.8%まであげることになります。GDP成長率が高い国ならそれでもいいとは思うのですが2024年のGDP成長率が-0.3%の日本ではちょっと非現実的な感じがします。そもそもGDP成長率が低いから1年債の実質金利がマイナスでもおかしくはないとは思うのですが、なぜそこまで実質金利がマイナスであることを気にしているのかがよくわからないというのが感想です。
10年債の方を目標にするならあと1回の利上げで達成可能にも見える
じゃあ、やっぱりドル円取引の目安となる10年債の実質金利を気にしているのかということですが、10年債の方は2024年末時点で実質金利が約-0.6%、10年債利回りが約1.1%でした。10年債利回りは1月末の利上げで1.4%まで上がったので2025年2月末時点の実質金利は約-0.3%だと推定できます。そうすると10年債があと0.3%上がるだけで実質金利がプラスに転換するので、あと1回0.25%利上げすれば、イールドカーブからすると10年債は0.3くらいは上がる可能性が高いのでプラスに転換すると予測されます。