2022年のアメリカCPI推移の振り返り

2022年12月17日

2022年はアメリカのCPIが前年同月比9.0%をつけた歴史的な年となりましたね。そこで2022年のCPI推移を振り返りながら解説したいと思います。

前年同月比のCPI推移

下の図が2022年のアメリカのCPI推移(前年同月比)です。2022年1月の7.5%から始まり、4月にちょっと下がったものの基本的には上昇トレンドを崩さず6月には9.1%という歴史的な水準まで到達しました。どれくらい歴史的な水準かというとこの水準になったのは1981年11月以来だそうです。

そして、6月の9.1%をピークに下降を始めていきます。8月に発表された7月CPIはいきなり8.5%まで低下したので、市場に楽観論が広がりアメリカ株は一瞬だけ上昇しました。8月末のジャクソンホールでパウエル議長が牽制球を投げたので、ほんの一瞬で終わりましたが。

とはいえ、2022年1月は0.25%しかなかったFRB政策金利(上限)を6月には1.75%にまで急上昇させた効果が出てきたわけなので、政策金利を上昇させればCPIは下げられるという見通しが見えてきたことは意味があると思います。

2022年の後半は、6月をピークに徐々にCPIは低下し11月には7.1%まで低下しました。5か月間で2.0ポイント低下したことになります。この調子で下がると仮定するとあと2023年9月ごろに3.1%まで低下することになります。もちろん、そんなにうまくはいかないでしょうが。ただ、政策金利を上げた効果が出ているのは喜ばしいことだと個人的には思っています。

前月比のCPI推移

前年同月比だけでなく、前月比も注目されるようになったので、前月比についても解説します。前月比も前年同月比と同様に2022年の6月がピークで7月以降は0.4%以下に抑えられています。ちなみに、0.4%はコロナ前のディスインフレ全盛期の2019年にも見られた値なので特に問題ないレベルだと言えると思います。

参考資料

ロイター2022.07.13付記事

ピクテジャパン2022.08.15付記事