JPXプライム150採用銘柄発表
2023年7月から算出予定の「JPXプライム150」の採用銘柄が日本取引所グループより発表されましたね。
そこで採用銘柄について解説します。
そもそもJPXプライム150とは
以前も説明しましたが、追加で公表された情報もあるので、再度掲載します。
「JPXプライム150」の概要
対象銘柄:東証プライム市場の上場時価総額上位500銘柄から価値創造が推定される銘柄を選定
JPX公式サイトより引用
算出開始予定日:7/3(月)
算出間隔:1秒ごと
構成銘柄数:150
初年度の基準日:2023.5.26(金)
加重方式:浮動株調整後の時価総額加重方式
定期入替:毎年8月に銘柄入替(ただし、2023年は銘柄入替行わない)
定期入替基準日:6月最終営業日
TOPIXやTOPIX Core30と何が異なるのか?
TOPIXやTOPIX Core30は簡単に言うと浮動株比率調整後の時価総額の大きさで採用銘柄やウェイトが決まる指数ですが、このJPXプライム150はPBRやROEが低い銘柄は除外されるという特徴があります。具体的にはトヨタ自動車、本田技研といった自動車銘柄や三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループといった銀行銘柄が除外されており、TOPIXやTOPIX Core30と比べて電機機器、医薬品などといった業種のウェイトが高くなる特徴があります。
また、ROEが低い企業が除外される傾向があるため、ROEの中央値もTOPIXで7.7%に対してJPXプライム150では15.2%と約2倍となっています。
JPXプライム150の具体的な採用銘柄
採用基準が2種類ありまして、それぞれの基準で75銘柄ずつ選定されます。
エクイティ・スプレッド基準
エクイティ・スプレッドとは聞きなれないと思いますが、ざっくりと言いますとROEから株主資本コストを差し引いたものです。結構計算式が複雑なので証券会社のスクリーニングツールなどでは選べない指標となっています。
基本的には証券会社のスクリーニングツールでいうとROEが高い銘柄が選ばれやすいです(株主資本コストが高い銘柄はダメですが)。例えば携帯電話の3大キャリアである日本電信電話(NTT)とKDDIとソフトバンクが選ばれていますが、これらの銘柄はそれぞれ
日本電信電話(NTT):ROE14.4%
KDDI:ROE13.4%
ソフトバンク:ROE25.39%
と高いROEとなっており、これが選定された要因となっております。
親子上場している会社で子会社のみ選ばれているケースもある
親子上場している会社で子会社のみが選ばれているケースがあるのも「JPXプライム150」の特徴です。例えばソフトバンクグループはROEが低いため選ばれず子会社のソフトバンクはROEが高いので選ばれています。また、宝ホールディングスもROEが低いので選ばれていませんが、子会社のタカラバイオはROEが高いため選ばれています。
※タカラバイオは新型コロナ以前に比べてPCR需要などのためか明らかにROEが高くなっているが、新型コロナの影響が収まってきたため今後も高いROEが維持できるかは不透明な点もあります。
PBR基準
PBRは証券会社のスクリーニングツールでも選べることが多いよく使われる指標なのでご存知の方も多いと思います。こちらは単純に当期と前期がそれぞれ1倍を超えていれば良いということになっています。(1倍を超えている銘柄の中から浮動株比率修正後の時価総額順に選定)