nmrdb.orgの利用方法
無償のNMRスペクトル予測サービスのnmrdb.orgの利用方法について解説します。
初めに
nmrdb.orgは分子構造のわかっている分子の1H NMR, 13C NMR, COSY, HMBC/HSQCを予測できます。
なお分子構造はサーバーに送信されるため、機密性の高い構造の検索はお勧めしません。
使い方
- https://www.nmrdb.org/にアクセスする
- 上部のメニューから予測したいスペクトルの種類を選び、クリックする。
例えば、1H NMRが知りたければ「PREDICT 1H NMR」をクリック - 予測のためのウィンドウが6つほど表示されるので10秒ほど待つ。
- 左端に分子描画用ウィンドウが表示されるので、予測したい構造を描く。または、molfileやSMILESのファイルがある場合は分子描画用ウィンドウの上にあるドロップ領域にドロップすることで構造を読み込んでくれる。
- 「Simulate spectrum」をクリックする
- 20秒ほど待つと予測スペクトルが表示される。
実測値との比較
アスピリンの実測値とnmrdbのシミュレーション値の比較を下表に示しました。シミュレーション値は実測値と相対関係はあっています。ただ、やはり絶対値としては0.2程度はずれます。そこまで正確なシミュレーションを期待している人は少ないと思いますが、これくらいはずれるというのは認識しておいた方がいいと思います。もちろん、相対関係があっているので、帰属を効率的に行うには「nmrdb.org」はとても便利なツールとなります。
アスピリンの1H NMR 実測値とシミュレーション値の比較
帰属が構造式でわかりやすい表示される
有名な低分子であればPUBCHEMにNMRスペクトルの実測値も掲載されているので、nmrdb.orgで予測する必要などないと思われるかもしれません。ただnmrdb.orgは帰属がわかりやすく可視化されるので初心者の方にはとてもよいサービスです。