【Microsoft 365】Python in Excelがついにロールアウト
2023年8月にパブリックプレビュー版としてExcelに実装された「Python in Excel」がついに2024年6月のversion2406のCurrent(preview)版からロールアウト予定であることが発表されましたね。そこで解説します。
(追記:2024年9月現在ver2407以降のBusinessまたはEnterprise版のCurrentチャネルで使用可能です。monthlyおよびsemi-annualチャネルではまだ使用できません。)
Python in Excelとは?
Excel内で関数としてPythonのライブラリが使用できる機能です。全てのライブラリが使えるようになるわけではなく、Anacondaに採用されているライブラリであれば使用できます。
追加で何かインストールが必要なの?
インストールは不要です。というのもこのPython部分はMicrosoftのCloudを使用して計算し、返ってきた計算結果をセルに反映させる仕様となっているため、ローカルのPC側ではPythonの計算は行われません。
なお、セキュリティに関してはPythonコードが誰が送信したものかわからないようにしてクラウド上で実行しているそうです。会社関係で使用される方は恐らくエンタープライズ契約を結ばれている方が多いと思うので詳しい話を知りたい場合はマイクロソフトの営業担当者や代理店の営業担当者に問い合わせた方がいいと思います。
何が便利になるのか?
マイクロソフトの紹介記事の感じでは、可視化ツールとしてPythonのライブラリを使えるようになることでExcelのグラフでは出来なかったことができるようになり、PythonをローカルPCにインストールしなくても可視化機能を補完することができるというような使い方が提案されていました。
まとめると
- PythonをローカルPCにインストールせずにExcelのみでPythonの可視化ライブラリが利用できる
- 普段Pythonを使っていない人と共有する時も画像にして送ったりせずにExcelデータのまま送れる
といったことが考えられます。
利用に追加のライセンス料必要ないのか?
今回のPythonモジュールはAnacondaが関わっています。Anacondaと言えば、突然商用利用を有償化して会社関係で使われていた方は苦い経験をした人も多いと思います。そうしたことから、また突然ライセンス料必要にならないのか?と心配な人もいると思います。ただ、今回の仕組みですとマイクロソフトがAnacondaを利用してユーザーにサービスを提供しているだけなので、マイクロソフトにライセンス料を払えばユーザー側がAnacondaと直接やり取りする必要はないため、そこまで不安に思わなくてもいいかと思います。
ただ、「Python in Excel」自体はプレビュー段階では全機能が追加料金なしですが、全ユーザーに実装された後は「プレミアムスピード」で計算してもらうためには追加料金が必要になると記載されています。具体的な料金としてはアメリカでは月額24ドルとなっています。
Windows以外のOSは未対応
「Python in Excel」ですが、2024年6月の段階ではWindows以外の
Excel for Mac、Excel on the web、Excel for iPad、Excel for iPhone、Excel for Android
などでは使用できないのでご注意ください。
ver2406になってもすぐに使えるわけではない
Excelがバージョン2406になっても全ユーザーがすぐに一斉に使用可能になるわけではなく、まずはCurrent(Preview)という企業の情報システム担当者などがバグだしなどに使用するバージョンで解放されているそうなので一般ユーザーが使えるようになるのはあと数か月程度待つことになる可能性があります。
追記:2024年8月から一般ユーザーへの提供開始
7月末に2024年8月からプレビュー版だけでなく普通のExcelにも「Python in Excel」機能を開放し始めることが発表されました。10月までにバージョン2406以降のユーザーは「Python in Excel」が使用できるようになる予定です。
自分のExcelバージョンを確認する方法
Excelを起動した時に左側に表示されるメニューでアカウントをクリックするとアカウント情報とともにExcelのバージョンが表示されます。
2024年8月からは2406以降であれば、「Python in Excel」が使えるようになる予定です。ただし、2か月かけて順次ユーザーに開放されるため、10月まで待たなければならないユーザーも出てくる可能性はあります。