ExcelのインサイダープログラムでCopilot関数実装が発表
ExcelのインサイダープログラムでCopilot関数が使えるようになったと発表されましたね。そこで解説します。
インサイダープログラムとは
インサイダープログラムとはITが得意な人向けのプログラムです。エラーなどが起きてもマイクロソフトからのサポートを受けられません。(フィードバックを送ることは可能。)
大規模な組織で少数精鋭で社内の環境でのバグだしなどをしてマイクロソフト社にフィードバックを送ってくれるというような運用を想定しているようです。
そのインサイダープログラムにあるExcelのベータチャネルでCopilot関数を実装したとマイクロソフト社の担当者が発表しました。2025年8月より使用可能となっているそうです。(バージョンアップのタイミングなどで多少のタイムラグはあります。)
一般のチャネルにはいつ導入されるのか?
サポートを受けられるカレントチャネルや月次エンタープライズチャネルを使用している人が多いと思いますが、こちらのチャネルに導入されるのは通常、ベータチャネルに導入されてから3~6か月後となっておりまして、その間隔から予測しますと2025年末か2026年上期からカレントチャネルや月次エンタープライズチャネルでも使えるようになるのではと予測されます。
必要なライセンスと環境
必要なライセンスですが以下の2つとなっております。
- Microsoft 365
- Microsoft 365 Copilot
いわゆる無料版Copilotの方は対象外です。
環境
2025年8月時点ではExcel for WindowsまたはExcel for Macのベータチャネルのみ使用可能です。
今後、カレントチャネルや月次エンタープライズチャネルにも展開されると予想されますが、半期エンタープライズチャネルにはおそらく展開されません。半期エンタープライズチャネルの取り扱いについては別記事を参照ください。
Copilot関数の詳細
今回、Excelのベータチャネルに導入されたCopilot関数ですが、関数内でプロンプトと参照するデータを指定するとそれに対応する答えを返してくれるというものです。
ちょっとイメージがわきづらいかもしれませんので、具体的に見ていきましょう。
下の画像の使用例ではCopilot関数にプロンプトとして2つのプロンプトを入れています。1つは「これらの口コミを評価して」で2つ目は「これらのカテゴリーに基づいて」です。そしてプロンプトに対応したデータをセルで指定しています。口コミに対応するセルとして「A2:A11」をカテゴリーに対応するセルとして「B1:C1」を指定しています。この参照セルを指定することでExcelシート内のデータをCopilotに渡すことができます。Copilot関数では勝手に本人のアクセスできる社内のデータを全て参照したり、あるいはExcelのブック内のデータを勝手に参照したりすることはなく、あくまでこちらが関数内で指定したセルしかCopilotにデータとして渡しません。なので、かなり結果の制御はしやすい関数になっていると思います。Excel内のセルを指定しないことも可能ですが、その場合は既に学習済モデルから答えを返すだけなので特に活用しがいのない答えが返ってくるのみとなります。
Copilot関数のポイントとしては短い自然言語の命令文とそれに紐づくデータをセルで指定できるということだと思います。

Copilot関数はスピルが推奨
Copilot関数はスピルで使用することが現状は推奨されています。というのもCopilot関数はマイクロソフト側で呼び出し回数に制限をかけているために少しボリュームのあるデータを解析するのに1セルごとにCopilot関数を使用してしまうとすぐに制限がかかって使用できなくなってしまうためです。そのため、上の画像例のようにスピルで1つのセルでまとめて複数セル分の答えを返してもらえるような書き方にすることが推奨されています。
上の画像例ですと1つのセルごとにCopilot関数を使用した場合は20回もCopilot関数を呼び出すことになり10分で100回しか呼び出せないことから口コミが50個以上の場合に事実上対応できなくなります。
しかしながら、スピルを利用することでたった1回の呼び出しで50個以上の口コミにも対応可能となります。なお、Copilot関数には参照するセルのサイズの制限もあるため、スピルなら1回で全て解決するというわけではありません。しかしながら、10分間で100回制限に関しては1つのセルに1つのCopilot関数という考え方だとすぐに制限回数に到達してしまうため、現状はスピルは必須と考えられます。参照セルサイズの制限の方は詳細は開示されていませんが、万が一そちらの制限になった場合はエラーコード「#VALUE」が返ってくるので、頭の片隅に入れておくと良いと思います。
Copilot関数のエラーコード一覧
Copilot関数のエラーコードは現状、6種類ありましてコードによって対処法が違うので一読しておくことをお勧めします。
