日本銀行本店の食堂が台湾米を使用している件
2025.1.13に日経新聞が「日本銀行本店の職員食堂が提供するご飯に使用する原料のお米を国産から台湾産に切り替えた」という衝撃的な内容を報じましたね。そこで解説します。
日本銀行本店の職員食堂は誰が運営しているのか?
日本銀行本店の職員食堂は一般競争入札によって運営業者が決められています。求人情報によると現在、コンパスグループ・ジャパンが運営しているようです。
食堂の米の産地は日銀が指定できるのか?
一般競争入札により決定していることから、入札条件にあらかじめ米の産地を指定しないと後から指定するのは難しいと思います。1食あたりの価格をあげていいという話であれば別ですが。また米だけ産地を指定すると米以外の野菜や肉などの産地は指定しないのかといった問題は生じえるとは思います。
結局、日銀は本当に賃金と物価の好循環を願っているのか?
日銀が「賃金と物価の好循環」を願っているのであれば、当然ながら日本の1次産業を担っている農家の収入があがるように日本産の食材が高騰しようが使い続けるべきだと感じる方は多いかもしれません。しかしながら、実は賃金とは使用者が労働者に支払うものと定義づけられているため、一般的に個人事業主である農家の方の収入は日銀の指す「賃金」にはあたりません。事実として、上田総裁の講演で使用されている賃金のデータも連合(日本労働組合総連合会)のデータを引用しており、大企業・中小企業で働く労働者の賃金を気にしていることがわかります。従いまして賃金の好循環を考えますと、むしろ台湾産の米を使って原価率を下げて外食産業で働く方の賃金が上がる方が良いという考え方もできます。