Ketcher チュートリアル4 分子量や精密質量の計算
分子量や精密質量を計算するのは原子の数が多いとケアレスミスをしやすく大変ですよね。
無料の化学構造式エディター「Ketcher」であれば構造を描けば、ワンクリックで分子量や精密質量を計算できます。そこでやり方を解説します。
分子量や精密質量の計算
- 計算したい構造の化学構造式を描くまたは読み出す(チュートリアル1、チュートリアル3を参照)
- 上のツールバーの右から3番目のアイコンをクリック
- 分子量(Molecular Weight)や精密質量(Exact mass)の計算値が表示される
ダイアログボックス内の右のプルダウンは小数点以下の桁数を指定できるダイアログボックスです。自分の好きな桁数に変えられます。
ちなみにKetcherで計算したアスピリンの精密質量は180.0422602、PubChemに記載されている精密質量は180.04225873で小数点3桁までは一致しました。また分子量はKetcherもPubChemも180.16でした。これらのことからKetcherの計算値もそこそこ信頼できそうです。
分子量と精密質量の違い
分子量は同位体を分離できないことを前提とした平均質量で、化合物を1mol秤量するときなどは分子量を使います。(もちろん、同位体を完全に分離できている化合物であればその同位体のみで計算しなおす必要があります。)
精密質量はマススペクトルなどで使用する物性で、マススペクトルの場合同位体によって別のピークに分離できることが多いので、最も存在比の大きな同位体のみで構成された質量である精密質量を使用します。