顔料メーカーのHeubach Gmbhが破産申請
世界の有機顔料メーカーのトップ5に入ると言われているHeubach(ホイバッハ)グループのドイツ子会社であるHeubach Gmbh(正式名称:Heubach Colorants Germany GmbH)が2024年4月22日(月)にドイツの裁判所に破産手続きの開始を申請したそうです。そこでホイバッハグループについて解説します。
世界に19の拠点
世界のトップ5に入るだけあって、拠点も多く持っており、世界に19個も拠点を保有しています。実は日本にも工場があり、静岡県の掛川市に工場を保有しています。日本にある子会社名はホイバッハカラージャパン株式会社で2022年9月まではクラリアントケミカルズ株式会社という名称でした。
破産の原因は?
詳細な原因は報じられていませんが、「債務が多かったため整理していたそうですが追加の出資を引き出せずに破産を申請することになった」と報じられています。2023年にはフランクフルトの工場で25%の人員を削減といったコスト削減策により約30億円規模のコスト削減を目指していると報じられていました。
なお、ホイバッハグループの他のドイツ子会社も破産申請する可能性があると報じられています。
日本の子会社の財務状況は?
日本の子会社であるホイバッハカラージャパン株式会社の決算公告はPRTIMESに公開されています。それによりますと2017年以来毎年、純利益がプラスとなっており決算公告からすると問題ないように見えます。
暫定破産管財人が決定
ブラウンシュヴァイク地方裁判所により暫定破産管財人が法律事務所White&CaseのAndreas Kleinschmidt氏になったことが発表されました。「事業運営を継続できるように全力を尽くす」とドイツのニュース誌「Wirtschaftswoche」でコメントしたと報道されています。
生産子会社2社は破産、持ち株会社は会社更生を目指す?
5/22のJUVEの記事によると生産子会社2社は破産する方向のようです。持ち株会社であるホイバッハグループは自主的な再編を目指すようです。そのため、ドイツ以外の子会社については事業運営が完全に維持されるという声明が発表されたそうです。
インドの顔料メーカーの株価が10%以上上昇
ホイバッハグループのドイツ子会社の破産申請をうけ、インドの顔料メーカーである「Sudarshan Chemical」の株価が10%以上上昇しました。今後、破産申請の混乱をうけてインドの顔料メーカーの売上が伸びると投資家は考えているのかもしれません。